糞日記

イェイ!人生!

5月22日

5月も終盤に差し掛かった。早いものである。

しかし5月とは嫌な季節である。暑いか寒いかよく分からないし、なんとなく気怠い感じがして心がシャキッとしない。まあしかし、5月以外であっても気怠いし、年中心が猫背の僕からしてみればあまり関係の無い話だ。嗚呼、ハイボールが飲みたい。

 

そんな僕も最近は少し凹んでいる。一人の時間がどうしようもなく寂しくて動けなくなることが多くなった。僕の部屋は割と広く鍵をかけていないため、それなりの人数がたむろするには丁度良いのだが、1人で住むには少し広すぎて殺風景なのだ。

 

去年の冬、麻雀を終えて早朝に帰宅したところ

「おや?誰か渡米でもするのかしら?」と言った具合の馬鹿でかいキャリーケースが部屋に突如出現し、元交際相手との同棲がスタートした。今年に入って「あら?いつの間に引越し業のバイトを始めたのかしら?」と言った具合に、疾風怒濤の手捌きで荷物をまとめて出ていった時点で同棲は終了した。しかしその後もなんやかんやで間髪入れずニート(長髪)→学部の友人→地元の友人→ニート(髭)→ニート(長髪)と言った面々がグルグルと僕の家に泊まったり住んだりしていった。ニートの比率が高い点は少々気になるが、常に僕の家には誰か人がいたのである。

 

しかし最近は皆忙しいようで友人の訪問がじわじわと少なくなり、そのせいもあってか社会性が失われてきた気がする。これは良くない傾向であると危機感を持った僕は2つの案を立てた。

 

①民泊を開く

②植物を飼う

 

 

①の案はかなり良いのでは?と思ったが、賃貸マンションの一室で民泊を開くのは最早狂気の沙汰であるし、民泊独特の奇妙な馴れ馴れしさやコミュニケーション能力は持ち合わせていない。ガッツリ人見知りだし、お金が発生するほどのもてなしはきっとできないため、断念。

 

それではなにか愛玩動物を飼えば良いのでは?と思われるかも知れないが、僕は犬畜生等にあまり懐かれない傾向があるのだ。実家のロングコートチワワちゃんはファッキンキュートな女の子なのだが、僕の部屋のベッドの下を「第二のトイレ」と認識し、ウンコの絨毯爆撃を仕掛けてきた事があった。発見された段階でベッドの下は見渡す限り一面のウンコ地雷原と化しており、悲鳴をあげる僕を見て彼女は満足そうに鼻を鳴らしていた。僕の部屋をトイレと認識していたという事は、彼女は僕自身のことをウンコだと思っていたのだろうか。寂寞の念に駆られるばかりだ。

 

とにかく僕は②の植物を飼うことに決め、近くの植物店へ。かなりたくさんの観葉植物があったが、飼いやすいとの売り文句をはっつけられていた「ガジュマル」という植物を購入しようと決める。値段も1000円とかなりお手頃。レジに持っていくと中年女性の店員が「土を新しいものに変えた方が良いですよ。少々お値段かかりますが。」とのアドバイスをくれた。何も分からないので、言われるがままにお願いする。

 

「それではお値段、13000円です」

ん?高いんだが??土を変えるだけで左様に莫大なマージンが発生するのか??コスパ悪くないか??騙されてる?逃げた方が良いのか??脳裏で様々な考えが飛び交い、どうしたら良いのか分からずにアワアワしていると

 

「冗談よ〜。1300円です(笑)」

 

婆!!ふざけんな!!その手の冗談は100万円以上のリアリティ皆無の値段を言って僕が愛想笑いをする事で初めて成立する代物だろうが!!ギリギリ現実味ある値段攻めてきてんじゃねぇよ!!こちとら植物知識ゼロなんだよ!!!おい!!婆!!!!!

僕はこの婆をブン殴りたい衝動に駆られたが、婆の防御力が異様に高そうなふくよかフィジカルと、レジの内側に置かれていた僕の背丈くらいある巨大な刺々しいサボテンを見て、ここでの戦闘は避けるべきだと踏んだ。

こいつ、強い。

「鬼に金棒、婆に多肉植物」と昔の人はよく言ったものである。

 

 

ガジュマルお買い上げ。ガジュマルは沖縄では「キジムナー」と呼ばれており、木の部分がウネウネしていて中々に愛らしいフォルムをしている。早速たっぷりと水をやると心なしが嬉しそうな様子だ。これで僕の寂しさも吹っ飛ぶに違いない。毎朝ガジュマルに水をやりながら膝を抱え、虚空を見つめながら「おはよう...」と喋りかける自分の姿がありありと浮かんでくる。

社会復帰成功!!イェイ!人生!!